それほど混まない、秋の早慶戦

春の早慶戦が、

新入生を歓迎する一大イベントの場として機能するため、

多くの学生達でごった返し、
非常に混雑する、というのは、別項で述べた通りです。

通常、東京六大学野球の応援席というのは、
内野席に有りますが、

春の早慶戦に限っては、外野席も、
学生が応援するための応援席として使用されます。

春の早慶戦は、早稲田と慶応の順位が何位であろうと、
早慶戦の前に既に優勝が決定し、

早慶戦が消化試合になっていようと、
神宮球場は常に超満員になります。

その理由については、既に述べた通りですが、

それに比べると、秋の早慶戦には、
あまり観客が集まりません。

たとえ、早慶両校が、優勝をかけて激突したとしても、

秋の早慶戦のスタンドには、空席が目立ちます。

何故、秋の早慶戦は、春に比べると、
あまり観客が集まらないのでしょうか?

大体、11月初旬頃に行われるため、
気候的にも寒く、
屋外での野球観戦には、あまり向かない季節だからとか、

新歓イベントという時期でもないので、
あまり学生達の興趣をそそらないからとか、

色々な理由は有ると思われますが、
それにしても、不思議な話であると、私は思ってしまいます。

1960(昭和35)年秋の早慶戦は、

早稲田と慶応が優勝をかけて激突し、
二度の引き分け再試合も含め、
都合6試合にわたって、死闘が繰り広げられました。

この戦いは、「早慶6連戦」と称され、
今日まで語り継がれていますが、

この「早慶6連戦」には、連日6万人以上の観客が押し寄せ、
神宮球場は、連日、超満員の観客で埋まっていたのです。

その頃の事を思うと、現在の秋の早慶戦の、やや寂しい観客の入りは、
隔世の観があります。

春の早慶戦は、内野席だけでは、学生を収容しきれないため、
外野席も、学生の応援席として解放し、

応援団が、外野席にも居るのですが、
秋の早慶戦は、そこまで観客が入らないので、外野席も、

通常の東京六大学野球の外野席と同じ扱いになっています。

以上の事から、

春の早慶戦は、お祭り的な要素が大きいので、
野球にあまり興味の無い学生も、沢山来ると思われますが、

秋の早慶戦は、野球が大好きな、
コアな学生やファンが集まる試合である、

という事が、言えるのではないでしょうか。

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